第1章 暗闇
第1話
なんでこんな仕事をしてるのだろう。
アイマスクをつけて手枷をして裸で待つ見知らぬ男を目の前に、ニナはふと首を傾げる。
だらしのない身体に、ちょっと気持ちが萎えてしまう。
時計に目を向ける。
目を閉じ、感情のスイッチをOFFにした。
スタート
『はじめまして』
男の耳元で囁いて吐息を吹きかける。
萎えたこちらとは対照的に男のソレは生き生きとしている。
男ってどうしようもないくらい、単純で可愛い生き物だとニナは思う。
マスクを外す前からこんなに興奮していては、外して私を直視したらどうなるんだろうと
男をいたぶりながら想像を膨らませる。
案の定
アイマスクを外した男は驚きと感嘆の声をあげた
こんな綺麗な人にいじめていただけるなんて!
満足そうに果てた男を送り出し
エンド
今日も満足していただけた。
帰りにフロントで給料を受け取りお財布にしまいながら
ニナの頭の中は今夜の晩御飯のメニューと材料のことでいっぱいだった。
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